随所に楽しむ in Boston

2019年夏からボストンの大学院に留学することになり、学生生活やアメリカでの子育てに関する気付きをゆるゆると記します。

ロースクールでの初試験

先週は、ロースクールに入学して初めて試験がありましたので、ご紹介します

 

アメリカ法の基礎を学ぶ授業の試験でして、試験範囲は憲法・契約法・不法行為法・民事訴訟法・法曹倫理など幅広ではあるものの、12月の期末試験の練習的な位置づけであり、比較的簡単(素直)な問題でした

※この科目は必修科目であり、単位を落としたら、ロースクールを卒業できないので、普通に授業を受けていれば基本的にPassできるものと教授からは事前に言われました

 

具体的にどんな問題だったかというと、ストーリーの中からIssueを拾って結論を導く問題が2題、複数の判例を比較しつつアメリカ法やアメリカ社会に与えた意義を答える問題が1題の計3題でした。ちなみに回答時間は合計で3時間でした。

 

1問目 不法行為法(Torts)からの問題

ある大人が椅子に座ろうとしていたところ、6歳児がその椅子を動かしたせいで尻もちをつき、怪我をしてしまった、というアメリカの有名なTortsの判例をモチーフにした問題です。子供には責任があるのか、周囲の大人には責任があるのか、という点を議論していくことになります。

 

2問目 契約法(Contracts)からの問題

買主が不動産を〇〇ドルで購入したいというレターを出し、売主が△△ドルであればよいよというレターを返した。その後、買主がその値段に合意するので契約成立ですと書いたレターと小切手を一方的に送ったが、売主は売却を拒否したという契約が成立したかどうかがIssueのシンプルな問題です。契約成立と言えるほど詳細に契約条件を合意できていたのか、という点がIssueになります。

 

3問目 憲法(Constitutional Law)からの問題

連邦制度におけるConflict(憲法と他の法律、連邦法と州法、連邦政府と州政府)に関するアメリカの独立初期の3つの判例の重要性について議論する問題です。

 

憲法の問題は、普段の仕事とは異なる頭の部分を使いますし、判例自体も古い判例で読みにくいので、個人的には3問の中で一番悩みました

 

仕事をしているとつい実務に関係ある分野の知識を取りにいってしまいがちですが、今後、人的ネットワークを広げていくためには、学術的な話題や芸術の話題などにも興味をもって知識や視野を拡張し、教養のある大人になっていきたいですね

 

大学生の時には(日本の)憲法の授業に興味を持てませんでしたが、今は学びに対する意識が高まったせいか、(アメリカですが)憲法にも 興味を持てているので、きちんと学んで帰りたいと思っています

 

今日はロースクールの試験について紹介してみました!