随所に楽しむ in Boston

2019年夏からボストンの大学院に留学することになり、学生生活やアメリカでの子育てに関する気付きをゆるゆると記します。

Moot Court(模擬裁判)

昨日、無事にサマースクールを卒業しました。

そこで、今日はサマースクールの最終課題であるMoot Court(模擬裁判)についてブログに残しておきたいと思います。

 

学生に対する言論の制限が憲法の認める言論の自由に抵触するか否かが主な論点である実際の事件(Morse v. Frederick)を用いて、Moot Courtは実施されました。

 

■事案の概要

https://www.oyez.org/cases/2006/06-278

Juneau高校が生徒を連れてソルトレーク・オリンピックの聖火リレーを見学していたところ、取材に来ていたメディアに対して、ある生徒(Frederick)がマリファナに関連したフレーズを記載したバナーを掲げたため、後々学校が停学処分を下しました。これに対し、生徒が憲法に定める言論の自由に反するとして訴えたのがこの事件です。

個人的な感覚としては、学校が負けるはずないと思ったのですが、1審では学校側が勝訴、2審では生徒側が勝訴、最終審のアメリカ合衆国最高裁判所では、5対4でぎりぎり学校側が勝訴と、実際には原告と被告のどちらに転んでもおかしくない判例でした。

 

サマースクールのMoot Courtですので、原告と被告で答弁を繰り返すようなものではなく、それぞれが重要なissueを主張し、裁判官からの質問に答えるという簡易なものでしたが、それでも実際の答弁書を読み解き、主張を組み立て、質疑応答まで含めて英語で対応するのは、なかなか苦労しました。

 

私自身は、学校側の弁護士役として、生徒の言論により学校に崩壊(disruption)が起きる(起きうる)という点を実際の答弁書の内容も踏まえて主張したのですが、十分なFactが無く、強固なロジックをなかなか作れなかった点が具体的に大変だったように思います。

 

それでも他のクラスメイトとディスカッションしながら、主張内容を詰めていき、どうにかこうにか当日を乗り切れたことは、良い経験になりました。

加えて、Moot Courtは、自分の英語力の無さを見つめなおす良い機会でもあり、留学中はつい日々の宿題に追われてしまいますが、ベースとなる英語力をきちんと鍛えるための時間を作ろうと改めて感じました。

 

www.bu.edu

※上記リンクの6階のCourtroomでMoot Courtが実施されました。